線画についての考察
今日はペン入れ(線画)についての考察です。
前回、長くなりそうなので後に回すといっていた奴ですが、知っている人にとっては至極当たり前な内容です。
今更何言ってんだこいつはと思われるかもしれませんが、あくまで私の体験による考察なので、そこは生暖かい目で見て頂ければと思います。

では前置きはこのくらいにして。

今回は線画をできるだけ丁寧に仕上げることを念頭に置いて作業を行いました。
その結果分かったことは、ラフからのブラッシュアップの甘さのせいで線画が適当になるということと、それに起因して後半にいくにつれてモチベーションが低下する原因にもなっていたということです。

まず迷い線の多い状態から仕上げを行うと、仕上げとなる線がどれなのかを探しながらペンを入れていかなりません。
これは非効率なだけでなく、ラフ(下書き)と仕上げのラインがずれるという致命的な問題を引き起こします。
これが、誰しも経験したことのあるであろうあの『下書きと清書のギャップ』です。
そして『下書きと清書のギャップ』は、さらにやっかいな状態を引き起こします。
それがモチベーションの低下です。


ラフや下書きの段階では(主観で)上手く描けているような気がするので、そこまで作業は苦痛ではありません。むしろ楽しいです。
しかし、完成を急ぎ、下書きがきちんと出来ていない状態でペン入れを行うとどうなるか。

「どうせ後からペン入れするんだし、下書きなんてそこそこ描けてれば大丈夫だろ」

大体私はいつもこんな感じでした。
完成を急ぐというのもあるんですけど、下書きに拘っているといつまでたっても終わらないじゃないかと思ってしまうんですよね。

しかし、それこそが落とし穴でした。
中には大雑把なアタリだけで大丈夫な人もいるかもしれませんが、そうでない人は下書きにこそ時間をかけるべきだったのです。

上でも書きましたが、下書きが適当だとペン入れをするときにどの線にペンを入れるべきなのかを迷ってしまいます。
アナログだとペン入れは一度やったら終わりですが(一応修正はできますけど)、デジタルだとアンドゥ(ctrl+z)ができるため、自分が望んだラインになるまでひたすら同じところに線を入れるという作業の繰り返しになります。
慣れていないとこの作業だけでもかなり時間をとられる上に、この段階で大幅にモチベーションが下がり、作業自体が嫌になってきます。
それを乗り越えなんとか終わらせることができても、それは自分が思っていたものと何か違う。
これでモチベーションを上げろといわれても、そりゃあ無理ってなもんです。

そしてペン入れが終わったら今度は着色作業に入るわけですが、大幅に下がったモチベーションが今度は着色作業に響いてきます。
元になる絵に納得できていないのだから、色を付けていても何か楽しくありません。

それでも、色を置いていく最初の段階で多少モチベーションが回復します。
線画だけでは分からない部分も、色を置くことで情報量が増し、一時的に自分が想定していた完成像に近づくからです。

しかし、それもあくまで一時的です。
着色作業も終盤に近づき、色が着いた状態に目が慣れてくると、ペン入れの段階で納得できなかった部分が徐々に目立つようになってきます。
そういう部分が目立ってくると、一番重要であるはずの仕上げの段階で作業が適当になってきます。どうせこのまま進めても想定していたものにはならないだろうと、自分なりに薄々気付いてしまうからかもしれません。
そして、そういう場合は往々にして完成しても中途半端なものになるか、きちんと終わらせても何かしら大きな失敗をしているものです。(やっかいなのは、作品が仕上がってしばらく時間を置かないとその失敗に気がつかないということですが)

これが今までの私の製作過程です。見事に失敗するルーチンを構築しています。
我ながら何て頭の悪いことをやっていたんだろうと反省することしきりであります。

ではもしこれが最初、つまり下書きの段階でもっと丁寧に作業を行っていたらどうなるか。
下書きを自分が納得できるところまで煮詰めると、この段階でモチベーションが上がります。
そして丁寧に描いた下書きですからペン入れもスムーズに行えます。迷い線なんてほとんどありません。
更に着色作業にも気合が入ります。なぜならペン入れをした段階で、何となくいい感じになりそうだというのが分かるからです。
ここまでお膳立てすれば、もう余程のことが無い限りは納得のいくものが仕上がるはずです。
(着色だけ上手くいかないというケースも考えられますが、それはまた違う機会にでも)


下書きは云わば設計図です。
その設計図が間違っていたらどんなに一生懸命作業をしても、出来上がるものは間違った状態で完成します。逆に設計図がしっかりしていれば、頑張った分だけ出来上がるものもしっかりしたものになるのだと思います。
それを面倒くさいからと適当にやっていては、納得のいくものなんて出来るはずがありませんでした。

総括としては『下書きを疎かにしないことが自分の描きたいものを描くための第一歩』といったところでしょうか。
これを忘れないように、今後の作品に活かしていきたいと思います。

最後に、下書きを丁寧にやることで結果に大きく差が出るということを今回やりましたが、それによってモチベーションが向上したというのも結構重要です。
これについてもまた後日まとめたいと思います。



しかし、久しぶりに長文書いたらめっさ疲れました・・・。
| 考察 |
| 04:35 AM | comments (x) | trackback (x) |

PAGE TOP ↑

Copyright © 2006 ゆきノぶろぐ::2012年04月28日
All Rights Reserved./Skin:oct